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今回のご依頼は Ibanez JEM555。ロッキングトレモロのスタッドが倒れてしまったため、修理を行いました。
ピックガードを外すと、スタッドがボディを突き破りかけている状態。ブリッジがピックガードに当たり、かろうじて保持されているギターをよく見かけます。原因は、木材の強度不足や過度なザグリ加工によってボディが肉薄になってしまうことです。
特にこの個体では、
ハムバッカーのザグリがブリッジに近く、スタッド穴を支え切れなかった
ザグリ底面とスプリングキャビティの間が極端に薄く、強度がほぼゼロ
という問題がありました。
そこで以下の工程で補強を行いました。





底面補強 ハードメイプルを貼り付け、約5mmかさ増し。これによりスタッド間の木部のぐらつきを抑制されました。
スタッド穴修正 穴を大きめに埋め直し、ザグリ形状に合わせて再加工。複数工程を経て安定性を確保。特に力のかかる方向にできるだけ強度が確保できる様に残します。
ブリッジ交換 持ち込みいただいた GOTOH 1996T に交換しました。






同様のご依頼は多いのですが、
加工はもとのボディに合わせてザグリ加工を何手も行う必要があります。
毎回ジグを複数枚準備する必要がありますので手がかかります。




Ibanez JEM555のように、構造上の制約からトレモロ周りに不具合が生じるケースは珍しくありません。今回の修理工程が、同じ悩みを抱える方の参考になれば幸いです。ギターの状態に不安を感じたら、早めの修理をおすすめします。