今回のリペアは弦アース
詳しいこと書いてもあれなので簡単に。
弦アースが取れている状態とは、単に弦とギターの配線のアースが導通している状態です。
目的は、ギターの一番近くにいるプレイヤーをギターの配線のアースと導通させることです。弦に配線はいちいちできませんので、金属パーツでいつも弦が触れているブリッジのパーツにアースの線をはんだ付けしたり、密着させてあるのがほとんどです。
わかりやすいのが、アンプに繋いでギターの金属パーツに触れないでピックアップに手を近づけるとノイズが大きくなります。でも、弦などにふれるとピタッとなくなると思います。この状態がパッシブギターの正常な状態。
そこで今回のギターです。 ノイズがかなり気になります。こんなときはアンプにつないだ状態で、金属パーツに触れてみます。
コントロールパネルや、ジャックに触れるとノイズがすっと減ります。でも、ブリッジや弦は触っても何も変わりません。そう、弦アースが取れてない!
このギターはレリック加工がされており、パーツはスクリューに至るまでエイジングされて錆びています。今回はまさにそれが原因でした。
テレキャスターはもともと、個別に弦アースの配線を通していません。ブリッジピックアップの底面にはプレートが貼ってあります。これを介して、PUスクリュー→ブリッジプレート→オクターブスクリュー→サドル→弦とはるばるつながっています。今回、スクリューやブリッジプレートがレリックにより錆びていてPIUスクリューあたりが導通が怪しい状態。
サビを取って導通を確保しても良いでしょうが、今回は確実につなげます。
ロングドリルでブリッジの下からコントロールへ向けて配線穴を開けます。
配線材を剥き、ブリッジの取り付けビス付近に挟まるように這わします。
ブリッジプレートのサビも部分的に取り除きます。
これで完了です。
お客様には30分ほどお預りさせて頂きましたが、これで異常なノイズに悩まされることもないでしょう。
Nashguitars 良い楽器ですね。ちょっとテレキャスが欲しくなりました。それではまた。