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今回のご依頼は、Ibanez RG5170G に対するフルスキャロップド加工です。
1フレットから24フレットまで、すべてのポジションを深さ0.7mm指定で加工していきます。



スキャロップ加工の目的
スキャロップ指板は、弦を押さえたときに指が指板に触れず、弦だけを押さえる状態になります。これにより軽いタッチで音が出やすく、速弾きやチョーキング、ビブラートの表現力が大幅に向上します。特に Ibanez RG シリーズのようなハイパフォーマンスモデルとの相性は抜群で、ソロプレイやテクニカルなフレーズに強い効果を発揮します。
加工工程



まず指板にスキャロップの深さと範囲を正確にマーキングし、専用の工具で均一に削り込みます。
今回の指定は 0.7mm と比較的浅めの設定ですが、これによって過度に指板を削らず、操作性と安定感を両立させました。
加工を進めていくと、黒く染色されていたローズウッドの下から、もとの木地の色が見えてきました。染色は指板材の個体差を均一化するために行われることがありますが、削り込みによって地色が現れるのは避けられないケースです。今回はお客様に確認いただき、そのまま仕上げる方針としました。。
仕上げ



削り終えた後は細かなペーパーで丁寧に研磨し、演奏時に指が引っかかることのないよう滑らかな曲線を作り上げます。仕上げ後の指板は見た目にも美しく、演奏性を飛躍的に向上させています。