ブリッジ剥がれ
まずお預かりして驚いたのがこの汚れ
キレイにしてほしいとのご依頼でしたが、少々見積もりが甘かった・・・
ちょっと拭いたくらいじゃ全く取れない。手垢なのか、油とホコリなのか、ガチガチにこびりついています。ウエスを何枚も変えながらひたすら地道汚れと格闘すること数時間。
ある程度汚れが落ちたところで、修理に入ります。
ブリッジが剥がれてもはや薄皮一枚といったところ。ヘラを軽く隙間に刺したら、簡単に剥がれてしましいました。
接着面のささくれを整え、ニカワで再接着を行いました。
ネックグリップは塗装面が見えないくらいにべっとりとついていましたが、サラサラとしたグリップが戻りました。
ボディも全体を汚れが覆っており、特に肘が当たる部分は汚れが溜まっていました。塗装面があらわになり、落ち着いた艶が出ました。
指板もガチガチに手垢がこびりついていました。こちらは手慣れたものなので、いつもどおりクリーニング。
自分の楽器がちょっと汚れてるなと思ったらご相談ください。お掃除も承ります。
またのご依頼をお待ちしております。

Crews SM-GUT です。セミホロウボディのエレキギターの仕様ながらナイロン弦、ピエゾピックアップのギターです。
そんなギターですが、ブリッジが剥がれてしまったそうです。しかも、出張から帰ってきたらこのあり様だそうで、驚いたそうです。

ブリッジ裏を見ると塗装と一緒に剥がれている事がわかります。トップコートの上からブリッジを接着している様です。
この状態だと、ブリッジと塗装は接着剤でしっかり接着しますが、肝心のボディとは塗装だけでついている事になります。
それでもナイロン弦なら剥がれる事はなかったかもしれませんが、この個体はボディがトップに向かって反ってしまっていたので、その合わせ技で剥がれてしまったというとでしょう。

ブリッジとボディをしっかりと接着するために、ボディトップの塗装を剥がします。また、ボディも反っているので面も確保してあげます。塗装分、落とし込みの様になります。

面で密着する様になったらしっかりと接着。今回はサドル紛失という事で、新たに作成しました。

修理のご依頼、ご相談お問い合わせお待ちしてます。
ホームページの更新はあっという間に1カ月放置してしまいました。画像を見返しながら、少しずつ更新していきます。最新は今まで通りInstagramなどを見てください。
こちらはマーチンのブリッジ剥がれ修理です。

まずは↓の写真


ボディトップの僅かな膨らみ。その変形に硬いエボニーでできたブリッジはついていけず、離れてしまった模様です。
今回のように浮いていると、そのまま接着はできません。
ボディの膨らみは問題ありませんので、ブリッジを一度剥がしボディにあわせて削り接着したいとおもいます。

熱して、ナイフを入れて一度ブリッジを剥がします。


↑の写真の様に、スケールを当てるとボディの形がよくわかります。
真ん中はほぼ平らで、両端に向い落ちています。わずか0.5ミリ強の差ですがエボニーはほとんどしなりませんので、反発してしまいます。

削るのはわずかとはいえ、硬いエボニーを面で削るのはなかなか大変です。
荒加工はサンダーで一気に行い、手加工で精度を出していきます。

真っ平らだっだブリッジ底面が、ボディに面接着できるように加工できました。

ボディ側の接着面も調整します。接着は木同士で行いますが、接着面の際に塗装が残っています。
このままでは、真ん中が浮いていて面接着できず接着力も弱いため、塗装を取り除きます。
これで、ブリッジがボディにしっかりと面で接着でき、元の状態よりも強固に接着できます。

ニカワを温めて、手早く接着します。気温も高かったので助かりました。


接着完了。端まで密着し接着できていますので、元よりも強固に取り付けられています。

くれぐれも、適当に接着剤を流し込んで接着!なんてことだけはしないようにしてくださいね。
クランプも不完全だとたいていはまた剥がれてしまい、接着剤の除去をしなくちゃいけなくなり再接着が大変になります。
コストも上がってしまいます。大事にならないこともありますので、そのままの状態で相談してくださいね。